【岡山弁のいろは】『みてる』とはどういう意味?意味や使い方をわかりやすく解説!

みなさんは、「牛乳がみてる」「お菓子がみてる」「醤油がみてる」という言葉を聞いて、どういう意味を連想しますか?

牛乳やお菓子、醤油がこっちを見るわけないやん!一体どういう意味やねん(笑)。

こう解釈された方は、岡山弁の「みてる」を知らないことになります。

今回は、この岡山弁『みてる』について、ご紹介していきたいと思います。

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「みてる」の意味とは?

岡山弁での「みてる」とは、【なくなる、尽きる】という意味で使われます。

漢字で書くと、「満てる」となり、「いっぱいになる」という意味の「満ちる」と意味が似ているので、他県の人が混乱することもあるでしょう。

この「満ちる」と「満てる」が、この言葉の由来にも関係してくるので、こちらを掘り下げていこうと思います。

「みてる」の由来は?

「みてる」は、漢字で書くと「満てる」と書くのは先ほどご説明しました。

辞書によれば「みてる」「みちる」はどちらも、もともと「古語」だったようです。

漢字で書けば「満つ・充つ」で、意味は「いっぱいになる」ということ。

「無くなる」という表現が忌み語である「亡くなる」に通じることから、逆の意味である「満てる」という表現を用いて、何かが無くなる事を表現するという解釈もあるようです。

また、他の解釈もあります。

この「みつ」には四段活用と下二段活用の二種類の活用形があったとか。

連用形ならそれぞれ「みちて」「みてて」であり、ここから「みちる」と「みてる」が派生したらしいです。

そして古語の「みつ」が使われなくなるにつれ、「みちる」が共通語として残り、いっぽう岡山では「みちる」という形とともに、なぜか「みてる」という形も残ったのではないでしょうか・・・。

もし、そうならば「みつ」も「みちる」も意味は「いっぱいになる」なのに、なぜ岡山の「みてる」だけは全く正反対の意味の「なくなる」という意味になったのでしょうか?

この考え方として、何かが「みちる=いっぱいになる」とは、言い換えれば「残りがなくなる」ことではないでしょうか。

例えば、「浴槽に湯が満ちる」は、「湯のために浴槽の空気部分がなくなる」こと。

つまり「いっぱいなる」ということは、視点を変えれば「残余・余白・残り部分がなくなる」ということです。

すなわち、「みちる」は「残りが少なくなる」ということもできるのではないでしょうか?

こう考えると、共通語「みちる=残りがなくなる」と、岡山弁「みてる=残りがなくなる」とは意味が同じになってしまいます。

その理由は、もちろん「残り」という言葉の指す対象自体が違うからです。

岡山人が「浴槽の湯がみてた」と言う場合は「浴槽の湯そのものの残りがなくなった」ということであり、「浴槽に湯がみちた」という場合は「浴槽の中の空気部分の残りがなくなった」ということです。

こう考えると、「みちる」と「みてる」は決して「意味が反対」なのではなくて、意味は同じ「残りがなくなる」なのだけれど「指すモノが反対」・・・という考え方もあるようです。

う~ん、やはり日本語は勉強すればするほど奥が深いですね(;^_^A

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「みてる」の使い方の例

「なくなる・尽きる=Disappear」を表す方言である「みてる」は、どんなシチュエーションの時に使うのでしょうか。いくつか例文を挙げて「みてる」の使い方を紹介します。日常会話でもよく使われる方言なので、覚えておけば岡山県民と話が通じること間違いなしです(笑)

日常会話

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「もうすぐ冷蔵庫の牛乳がみてるから、はよかわにゃおえんで!」

 
ぽんきち
もうすぐ冷蔵庫の牛乳がみてるから、はよかわにゃおえんで!
(もうすぐ冷蔵庫の牛乳がなくなるから、早く買わないといけないぞ!)
 
よっぽん
わかった!帰りに買って帰るわー。
(わかった!帰りに買ってかえるわー。)

他県の人との会話

 
岡山人
財布の中身がみてたから、飯代立て替えてくれん?
(財布のお金がもうないから、食事代を立て替えてくれない?)
 
他県人
財布の中身が一杯なら自分で払えよ!
 
岡山人
わりぃ、岡山弁で「みてる」って、「なくなる」ってことじゃけんのう・・・。
(ごめん、岡山弁で「みてる」って、「なくなる」ってことだからなあ・・・。)
 
他県人
そういうことか!今回だけやぞ!明日ちゃんと返せよ!

まとめ

今回は、色々な意味で注目されている岡山弁の中の「みてる」をご紹介しました。

時代が経つとともに、方言を使わなくなってきている今日この頃。そんな中でも、この「みてる」は今でも頻繁に使われており、岡山出身の人が他の地域に行っても使ってしまう言葉としてあがっています。

もしかしたら、岡山出身の人からぽろっと出てくるのを聞くことが出来るかもしれません!

その他の岡山弁の記事についても記事を書いているので良かったら読んでみてくださいね。

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